1. 家族と仲のいい女は美しいという新法則【斎藤薫】

斎藤薫の美容自身2

2017.09.13

家族と仲のいい女は美しいという新法則【斎藤薫】

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 今月のテーマは"家族と仲のいい女は美しいという新法則”について。毎月第2水曜日更新。

家族と仲のいい女は美しいという新法則【斎藤薫】

家族との関わり方こそ、育ち方そのもの、人格そのもの

少し前、「母親が嫌い」ということを”カミングアウト”する人が目立った。誰か一人が言い出したとたん、「じつは私も」「じつは私も」と、次々に手が挙がったのだ。ある意味とても勇気のある行動。いわゆる”姑問題”はこの世の常で、太古の昔からあったのだろうし、未来永劫続くのだろうけれど、”実の母親”は、逆に時代を問わず、有無を言わせぬ「深い愛情」の象徴。つまり、人間は人間である限り、母親を理屈抜きに愛している、それが地球の摂理の一つのように言われ継がれてきた。だから、その母親を「嫌い」と言うのには、リスクを伴うのだ。とりわけ女はそれを言いづらい。ちょうど「花が嫌い」とは言いにくいのと同じ。女という性は、全員が花を好きで、それが女の倫理と優しい心根の証のように言われてきたから。母親が好きであることも、女の道徳を代弁するもの。だから一つのカミングアウトなのである。 

確かにひどい母親って存在するし、その被害を最大級に被るのが実の娘であるのもまた確か。成長の過程で最も身近に居続けた同性だけに、長い間に、母親が人として女として、この世で最も間違った人間に思えるようなケースがあっても不思議ではないのだ。嫉妬深い母親は、娘に対しても妬みの感情を持つというし。 

正直を言えば、子供は親を選べない。だから悪い母親に当たった子供は運命を恨みたくなるのだろう。でも、たとえそうであっても、許さざるを得ないのが親。なさぬ仲ではない、本物の親子とは、そういうもの。世の中には、理屈ではどうしても処理できないことがあるのだ。そういうことも全て飲み込んで生きていくのも、人生なのかもしれないから。

兄弟姉妹も同様。兄弟姉妹がとても仲がいい家より、あまり関心が無く、関わりを持たない、もしくは仲の悪い家の方が多かったりするのかもしれない。親子関係とはまた別の難しさがあるのだ。ただ親子と違って、無理矢理付き合わなくても良いことも確か。だから、兄弟姉妹と極めて仲がいい人は、それ自体が一つの個性になって見えたりもするもの。 

そういう意味でも異彩を放ったのが、小林麻央さんではなかったか。

「小さな子供を残して、可哀想に」私は、そんなふうには思われたくない。なぜなら、病気になったことが、私の人生を代表する出来事ではないから。色どり豊かな人生だったから……これは言うまでもなく、英国BBCに寄稿したという麻央さんの手紙の抜粋。自分の死期がわかっていながら、こういうことが書けるって、とてつもなく強い心の持ち主。また一方、夫の記者会見では、この人がいかに家族を気遣っていたかが、語られた。 自分が一番大変な時に、夫や子供のみならず、母親を心配し、姉をいたわり、と周りにいる家族のことを本気で気遣っていたと。強い人は優しい、優しいから強くなれる、という絶対の法則を思い出した。まさしく、この人の強さと優しさが、誰の心にも大きな感慨を残していく崇高なまでの旅立ちだったと思う。

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姉妹仲の良さが育てたものとは…?

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