1. いっそ”魔性の女”と呼ばれたい【齋藤薫】

斎藤薫の美容自身2

2017.10.11

いっそ”魔性の女”と呼ばれたい【齋藤薫】

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 今月のテーマは"いっそ”魔性の女”と呼ばれたい”について。毎月第2水曜日更新。

いっそ”魔性の女”と呼ばれたい【齋藤薫】

女力と人間力、それが大物キラーの魔性を作る

仮に、"魔性の女"と呼ばれたら、あなたは嬉しいだろうか? それとも不愉快だろうか? 嫌だけど、なんだかちょっと嬉しい……そういう複雑な思いをもたらすのが、〝魔性〞という響きだから。 

モニカ・ベルッチ、スカーレット・ヨハンソン、アンバー・ハード……”魔性の女”役がハマる女優たちは、皆美しいけれど、ただビジュアルにおける共通点はあまり多くない。邦画史に残る”魔性の女”、『白夜行』のヒロインを演じたのは、清純派の代表である堀北真希だった。一見してセクシーだとか、いかにも妖しげだとか、そういうことではない、むしろとらえどころのなさが、"魔性の女"の身上。言い換えれば、その女がなぜ人を魅了し、引き込み、虜にするのか、明快な理由がないからこそ、魔性なのだ。

最近も、2人の"魔性の女"についての報道が過熱した。一人は、IT長者と破局した紗栄子さん。もったいないとの声がたくさん聞かれる一方、大物ばかりを落とす魔性の女は、やっぱり別れ方も魔性だ。一体何が起きたのか知らないが、超大豪邸にともに住む計画も明かしているくらいだったのに、あそこで後腐れもなく、すっきりと別れられる潔さも、そのエネルギーも、"魔性"のひとつの特徴なのだ。常人には理解できない判断をし、サラリと行動に移せることが。 

紗栄子さんが、なぜそんな大物モテするのか?には諸説あるけれど、やはり大物を大物扱いしない度胸、思ったことをポンと言うのに、説得力をもてる心の強さと頭の回転の速さ、しかしそういうものとは裏腹に小動物のようなか弱さと愛らしさがある、そのギャップが、男性にとっては極めて魅惑的なのだろう。ただそういう二面性は、確かに”魔性”の条件だけれど、この人の場合はそれ以上に、人として"やり手"であることは間違いなく、魔性だけで片付けてはいけない。 

ビジネスも成功していて、インスタもつねに話題、360度に濃厚に取り組んでいく典型的なタイプで、大物との関わりも、そうした人間力で取りつけた。大物から大物へ、といっても男のタイプを問わないのは、この人が人一倍自我が強い上に人に対しても熱いことを示している。ここでふと思い出されるのは、工藤静香さんがキムタクの前はYOSHIKIと交際していたこと。これはこれでスゴい。両極にある王子系、いや王様系の男を夢中にさせるのにはやはり魔力に近いものを感じるが、それこそ確固たる自分を持っていないとあの2人は落とせない。にもかかわらず人に熱く、"尽くす"のではなく"きめ細かい"。巧みに緻密に人と関わる女性であるとはよく言われること。つまりこの人もやっぱり、やり手。”画家”でもあるという厚みも含めた人間力の強さに反して、華奢なあたりもよく似てる。不思議な引力の持ち主なのは確かなのだ。 

だから魔性という曖昧な言葉ですまさず、この人たちにはちゃんと学ぶべき。女力と人間力、ともに強いと、女は魔性を噂されるほど強大になるということも。

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魔性の女は、いけないことをしてもなぜ許されてしまうのか?

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