1. 【宿選びがスムーズになる!】コスパのいい良宿を見つける方法

2017.10.01

【宿選びがスムーズになる!】コスパのいい良宿を見つける方法

旅行をするとおみやげや食事など、つい出費が多くなってしまいませんか。なかでも旅費の大部分を占めるのは宿泊費。そんな宿泊費を抑えながら満足感の高い宿をさがすポイントについて、消費経済ジャーナリストの松崎のり子さんに教えていただきました。

【宿選びがスムーズになる!】コスパのいい良宿を見つける方法

秋も本番、温泉や紅葉を楽しむ季節となり、日本各地が観光客でにぎわいを見せている。

官公庁が発表した「旅行・観光消費動向調査」の平成29年4~6月期の数字によると、この時期の日本人国内旅行の1人1回当たり旅行単価は3万1733円だった。これは日帰り旅行を含んだ数字であり、そのうちの宿泊を伴う旅行に限ると5万0120円で、前年同期比0.8%増(数字は速報値)。

ちなみに2016年の日本人国内旅行の1人1回当たり旅行単価のうち、宿泊旅行の金額は4万9234円だったそうだ。つまり、われわれは国内旅行に行くと、平均で一人5万円前後を使っているらしい。

平均値なるものは高額な旅行に行く方々によって押し上げられるので、あくまで「そんなものか」でよいと思うが、やはり普段の買い物よりは格段に高い。節約したいのはやまやまだが、旅行費用は日々の生活費とは性質が違う。中でも費用の大部分を占めるのが宿泊代だ。その選び方は旅の印象を大きく左右する。

グレードが高く、ブランド力もある高級宿がすばらしいのは当然なので、ここでは触れない。そもそも、筆者はそういうところに泊まることを選択するタイプではない。素泊まりなら1人1万円以下には収めたいと考えるので、その前提で読み進めていただきたい。

部屋自体より、共有施設を重視してみる

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大前提として、全体の旅行費用のうちどこにおカネをかけ、どこは節約していいかを決めることが大事だろう。とはいえ、1泊3万円もするような部屋に毎度泊まるのは、ハードルが高い。

これは筆者の価値観だが、そもそも観光に来てずっと部屋にこもるという想定の旅はないから、部屋のグレードや窓からの眺めは最重要視まではしなくてもいいのではないだろうか。それより、まず見るべきは、温泉宿なら共有施設だろう。極端に言えば、いちばん安い部屋の客でも高い部屋の客でも、同じ温泉設備を利用するのなら、安い部屋のほうが当然コスパがいいはずだからだ。

浴室の数や露天風呂やサウナの有無、貸切風呂の種類など、HPで写真もチェックして比較してみよう。特に日帰り入浴の客を受け入れている温泉宿は、いっそう風呂の設備に力を入れており、湯上がり後もくつろげるスペースが併設されていたりアメニティ類が充実していたりする。夏場ならプール施設付きホテルでも同じ理屈がいえる。宿泊者が共有で使える設備が豪華なら、たとえ部屋が低層階でも満足度は高くできるのだ。

次にポイントになるのは夕食。昔ながらの旅館やホテルの食事といえば、海の物と山の物がお造りになったり揚げ物になったり、その後は鍋になったり陶板焼きが出たり……というパターンが多い。しかし、魚より肉がいい、いやそれよりフライドチキンが食べたい、などと食の好みは千差万別で、家族といえど一致しない。そのために満足度が下がるなら、バイキング形式の宿のほうが気楽だろう。

小さな子どもがいてもお子様向きメニューがそろっているし、カラフルなスイーツもある。旅情面ではポイントが下がるが、次の料理を仲居さんが運んでくるのを待たずにマイペースで食事できる面もファミリー向きだろう。

バイキング形式をうまく取り入れた宿といえば、均一価格リゾートを思い出す。休前日でも価格を上げず、365日毎日同一料金という触れ込みで人気を博した。伊東園ホテルズ、湯快リゾート(現在は、休前日などは価格が変動する)などが代表格だが、これらは温泉地の老舗旅館をそのまま買い取り、自社グループに看板を付け替え営業するスタイル。食事は夕・朝ともバイキングでドリンクも飲み放題、直行バス付きプランもある。2食付きで1万円を切る日程もあるので人気が高い。

食事コストをカットできるバイキング形式の宿は、その分宿泊費を安くできる理屈になる。誰でも利用できる共有設備が優れていて食事がバイキング形式の宿から選ぶと、そこそこコスパがよい宿を探せるのではないか。ただし、そういう宿はファミリー客が主体になりやすいので、雰囲気を重視するカップル旅行には向かないだろうが。

ビジネスホテルは公式サイト経由が「得」

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都市部での宿探しでコスパを考えるなら、どうしたらいいか。主体は、ビジネスホテルになるだろう。

出張サラリーマン向きというイメージはとうに消え、女子2人旅や3世代旅の宿泊も見掛けるようになった。もちろん、インバウンド需要も多く、必ずリーズナブルに泊まれる宿とはいえなくなってしまったが。

まず宿泊費だが、各ビジネスホテルは公式サイトでの予約がべストレート(最安)だと宣言するチェーンが増えてきた。アパホテル、スーパーホテル、東横イン、リッチモンドホテル、ワシントンホテルなどは、同日同条件の部屋であれば他の宿泊予約サイトより安く泊まれるとしている(会員登録などは必要)。つまり、宿泊予約サイトでざっと空き室を探したうえで、目星をつけたホテルの公式サイトで再度価格比較してみる、という流れが妥当だろう

次に予算内の候補が複数ある場合の絞り込みポイントだが、筆者は次の4つを重視している。①ベッド幅、②大浴場の有無、③食事環境、④駐車場設備、だ。

旅行となると複数名で利用するため、1部屋を2人以上で使う場合に①と②は快適度に差が出る。宿泊予約サイトではベッド幅が表示されることが多いが、セミダブルベッドを大人2人で使う場合、120cmでは余裕はほとんどない。ダブルサイズ、140cmは欲しいところだ。ベッド幅が狭いということは、決して部屋全体が広々しているとは思えないので、その参考にもなる。

次に②大浴場の有無だが、天然温泉付きホテルをアピールするドーミーインをはじめ、最近はこの設備が増えてきた。ユニットバスでは1人ずつしか入浴できず、その間洗面所も使えないが、これならそういう心配はない。子ども連れの旅行なら、なおさら広い湯船はありがたい。

この大浴場付きが増えてきた背景には、各室で個々にバスタブを使用されるより光熱費や掃除にかかる手間を減らせるというメリットもあるのではないかと思う。余談だが、先日ドーミーインの事業主である共立メンテナンス傘下の温泉リゾートに泊まって驚いたが、部屋にはシャワールームしかなかった。温泉客は必ず大浴場に入るものだという想定でバスタブを置かないということなのか。そうだとして、理にかなったコスト削減方法だとも感じた。

宿泊代に夕食が含まれていないビジネスホテルは、周辺の食事環境も重視したい。出張需要が多いホテルだと駅の近くという立地になり、いわゆる繁華街とは離れているケースもある。居酒屋や牛丼屋は近くにあるが、それ以外の選択肢があまりないこともあるので、宿泊候補のホテルの立地が女性や子どもでも行ける店がそろっている場所に近いかも確認したい。

食事に出るために、さらにバスや地下鉄を乗り継ぐのは、コスト面からもなるべく避けたいからだ。

夕食が含まれていない、と先に書いたが、実は夕食を無料サービスするビジネスホテルもちらほらあるのだ。東海エリアを中心に展開しているABホテルチェーンの一部ホテルでは、日替わりで丼などのメニューを出している。

筆者も泊まったことがあるが、到着時間が23時近くと遅かったためにありつけなかった。また、夜鳴きそばの無料サービスが定番のドーミーインでは、一部ホテルにかぎり平日30食限定で、日替わりの夕食サービスを始めている。カレーやサバのみそ煮、ビーフシチューなどのメニューで、こちらは出張の際にぜひ利用してみたい。

バカにならない駐車場代もきっちり確認

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旅行の足がマイカーのときに忘れてはいけないのが、④駐車場設備だ。自前の駐車場なのか、契約駐車場なのか、予約制なのか先着順か、ホテルにより異なる。もちろん、料金も違う。

数日滞在なら、1日当たりの料金が宿泊料に加算になるのでバカにならない。大阪や名古屋、仙台など都市中心部では収容台数が少ないうえ、1泊1000円前後かかることもある。長時間運転してきてホテルに着いたところで、もし駐車場に入れなかったらどうしようとやきもきするのはつらいので、宿代が少々かさんでも収容台数の多い駐車場を持っているほうが精神的にラクかもしれない。なお、高速インターそばのホテルは広めの駐車場を持ち、料金も無料が多いので、旅のスタイル次第でセレクトしよう。

普段から定宿を決め、そのホテルチェーンの会員になっている人は、ポイント付与や割引のサービスを受けられるので系列ホテルを選ぶのがよいだろうが、繁忙期はなかなかそうはいかない。宿泊予約サイトで検索した結果から選ぶ際は、該当ホテルの公式HPまでも開いたうえで、チェックをぬかりなくしよう。

【著者プロフィール】
松崎 のり子(まつざき のりこ)


消費経済ジャーナリスト。20年以上にわたり、『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『マネープラス』『ESSE』『Caz』などのマネー記事を取材・編集し、お金にまつわる多くの知識を得る。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金がたまらない』(講談社)

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