1. Q:界面活性剤って、なんですか?

2015.09.09

Q:界面活性剤って、なんですか?

化粧品の裏側にある成分表示。成分名がズラズラと記載されているけれど、どれがどんな働きをするかなんて、わからない人がほとんどじゃないでしょうか? でも一目でわかるようになれば、化粧品選びはもっと楽しくなるはず。それに、自分の肌に合った化粧品も選びやすくなるかもしれない!  というわけで、化粧品成分検定協会代表の久光一誠先生に、成分について詳しく解説してもらいます。4回目は、界面活性剤について。

Q:界面活性剤って、なんですか?

肌に悪いなんていうイメージもある界面活性剤。その役割はなに? ホントのところ、肌に悪いの? などなど、気になる点を全部聞いてきました!

界面活性剤ってどんなもの?

「水と油をひとつの容器に入れると、混ざり合わず境目ができますよね。これが界面、物体の境目のことです。水と油は仲が悪いので、極力触れ合わないようにしているんですが、それを取り持つのが界面活性剤の役割。例えば、身近な例でいうとマヨネーズを思い浮かべてみてください。お酢と油はそのままだと混ざり合いませんが、卵黄に含まれる卵黄レシチンが界面活性剤としての働くので、分離することなくマヨネーズになるんです」

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界面活性剤のイメージ図
水と油の境目に自然と集まる。その結果、水と油が触れ合わなくてすむようになる。

-化粧品における界面活性剤の役割は?

「水と油の境目に集まって両者の仲をとりもつという性質を利用して、メークなどの油汚れを包み込み、水になじませて洗い流すという『洗浄』の役割。それから、水と油がうまく混ざり合った状態を保つ『乳化』。形態が違うもの同士が沈殿を起こさず、均一に混ざり合った状態にする『分散』。肌など、水をはじく性質を持った固体の表面を、水に濡れやすい状態にする『湿潤』が、界面活性剤のおもな役割です」

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-洗顔料やシャンプー、乳液には界面活性剤が配合されているんですね!

「そうですね、あとはまれに化粧水にも。肌表面には皮脂があるので、普通に水をなじませようとしてもはじいてしまいます。わずかに界面活性剤を配合しておくとその働きで、なじみやすくするわけです」

-確かに、皮脂があるから化粧水はなじみにくいはずですね!

「洗顔後すぐなら皮脂も洗浄されているでしょうが、時間が経つとまた分泌されますから」

-洗顔後すぐに化粧水をつけたほうがいいというのは、乾燥対策もあるけれど、こんな理由もあるからかも。

界面活性剤肌に悪い。これ、ホント? 嘘?

「危険だとか、肌に悪いというイメージがなぜあるのか、正直よくわからないんです。天然の界面活性剤は安全で、合成の界面活性剤は危険という話も聞きますが、たとえば石鹸は天然には存在しません。石鹸は油脂または高級脂肪酸に強アルカリを反応させて作り出す合成界面活性剤です。その石鹸が数千年にわたって多くの人が安全に使ってきていることをみても、合成もしくは人工の界面活性剤が危険という説は無意味だとわかります。    化粧品や食品に使う界面活性剤は当然ながら安全性を優先に開発されます。界面活性剤とひとことに言っても用途によって開発方針が違いますから全部ひっくるめて肌に良い悪いという議論は不毛だと感じます。」

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-天然の界面活性剤のほうが、作用が穏やかだったりするんですか?

「いえいえ、そんなことはありません! 天然の界面活性剤であるサポニン類の中には、赤血球を破壊する溶血作用を持つものもあります。天然だから安全なんてことはありませんよ。界面活性剤は、人体に危険なものもあるし、安全なものもある。それは天然も合成も人工も関係ないんです」

結論! 
界面活性剤は洗浄や乳化などの働きを持っていて、化粧品には欠かせないものです。天然だから安全、合成・人工だから危険という考えは無意味。

界面活性剤に関わらず、化粧品に使われるすべての成分は、ひとつひとつが安全であるように研究され調査されているものばかり。理由もよくわからずやみくもに界面活性剤を避けるのは、ナンセンスな行為だと覚えておきましょう。