1. 旅行前に知っておきたい、「お得度の高い」外貨の支払方法

2017.10.15

旅行前に知っておきたい、「お得度の高い」外貨の支払方法

クレジットカードや現金など、海外旅行先での支払い方法はさまざま。どれを選択するかによって、旅行での出費額が変わってきます。今回は、海外旅行で「お得度」が高くなる外貨の支払い方法について、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに教えていただきました。

旅行前に知っておきたい、「お得度の高い」外貨の支払方法

秋の行楽シーズン真っただ中。「国内もいいけど、旅行はやっぱり海外」と、年末年始に向けて早くも海外旅行のプランを練っている方も多いのでは。そこで、今回は海外旅行での「賢い支払い方」「外貨調達の仕方」などについて、お伝えしたいと思います。

思わぬ「クレジットカード取扱手数料」に注意

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海外旅行では、より有利なレートでの支払いができれば、「お得度」が大きくなります。海外旅行の支払いといえばクレジットカードが一般的なので、まずはここから見ていきましょう。

実は、クレジットカードで決済した場合の為替の基準レートは各社ばらばらで、「基準レート+1.6~2.0%程度」で、現地通貨から円に換算されます。大手でいえば、JCBは1.60%、VISAやMASTERは1.63%、ダイナースクラブは1.30%、アメリカン・エキスプレスは2.00%が基準レートに加算されることが多いですが、同じ国際ブランドでも、カードによって上乗せされる率が異なることもあります。

では基準レートは、いつ、どうやって決まるのでしょうか。店舗からカード会社にデータが届いた日の値で反映されるため、同じ日の支払いでもカードやお店が違うと、ベースとなるレートが異なる場合があります。

さらに、日本では、お店がクレジットカード利用に対する手数料を受け取ることは、クレジットカード会社の加盟店規約違反です。つまり原則として現金払いとクレジットカード払いで請求額を変えてはいけないとされています。しかし、国によっては加盟店規約にその定めがなく、手数料が加算されることもあります。クレジットカード利用時に手数料が加算される国においては、必ずしもクレジットカード決済が割安な選択といえないケースもあるわけです。

2つ目は、デビットカードです。最近では、外貨預金の残高から直接支払いに充てられるデビットカードが登場しています。円高のときに外貨預金をしておくことで、旅行時のレートをまったく気にせず、現地でのショッピングを楽しめる可能性もあります。

デビットカード払いに対応しているのはソニー銀行(米ドルなど全10外国通貨)、住信SBIネット銀行(米ドルのみ)などです。この2社では、外貨預金をする際に米ドルだと、それぞれ1ドル当たり15銭、4銭の手数料がかかりますが、たとえば1ドル=115円のときに旅行に出掛ける際、1ドル=110円台のときに外貨預金していた分でお買い物ができれば、やはりお得といえるでしょう。残高から支払う際の手数料は、ソニー銀行の場合、無料です。

さらに3つ目として、外貨預金から事前にチャージして決済に利用するプリペイドカードもあります。チャージに手数料はかかりますが、大和ネクスト銀行(米ドルなど全5外国通貨)、新生銀行(米ドルなど全4外国通貨)などが扱っています。また、外貨預金ではありませんが、マネーパートナーズが運営する「マネパカード」も、入金時のレートでお買い物ができるプリペイドカードですので覚えておくとよいでしょう(米ドルなど全5外国通貨に対応)。

現地ATMでカード引き出しのほうがお得な場合も

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さて、次に外貨の調達について見ていきましょう。VISAやMASTERなどのクレジットカードでは、旅行先の現地ATM(現金自動出入機)での引き出しもできます。”ATMで現地通貨を引き出し”と表現されますが、実は、機能としてはクレジットカードのキャッシングを利用しています。

年率だと18%などの高い利率といえるキャッシング機能ですが、旅行から帰ってすぐ返済すると、日割り計算された利息となるため、クレジットカードの1.6%などを上乗せする手数料よりも割安になることもあります。たとえば、年率18%でも365日で割ると1日当たり0.049%。10日間の旅行でも0.49%程度と考えると、確かに割安になるケースもありそうですね。現地ATMによっては、別途ATM利用手数料がかかるケースもあります。

もちろん、町の両替店で現地通貨を調達する方法もあります。店舗によってレートが違うため、日程にゆとりがあれば、現地でいくつかの店舗を比較してもいいでしょう。一般的には街の両替店に比べて、ホテルや日本の空港での両替だとレートが不利なことが多いです。現地の空港のレートも不利なことが多いですが、たとえば台湾などではむしろ空港内の両替レートが有利なため、国によって有利な選択肢が異なることも知っておきたいポイントです。

日本円で支払い、現地通貨でお釣りをもらう

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ちなみに、中には日本円で支払って、現地通貨でお釣りをもらえる国もあります。お釣りでもらえるレートが有利な場合もあるので、確認しておきたい選択肢です。

外国での決済の扱いは、国によって違うことも多く、旅先の”国名”と”支払い方法”、”両替”などをキーワードに事前にしっかり調べておきたいところです。

先日、私自身は失敗してしまったのですが、シンガポールのタクシーでマスターカードかアメリカン・エキスプレスカードしか使えないと言われてしまいました。VISAが主要国すべてのケースで必ず使えるわけではないことにも、注意が必要です(店舗や、ほかのタクシー会社ではVISAも使えました)。

さて、支払いと調達のお話をしてきましたが、旅行の最終日には余った細かな現地通貨をすべて使いつつ、残高分をクレジットカード払いにできる店舗もあります。もし、外貨を日本に持ち帰った場合は、今は電子マネーに変換できる端末(成田空港「Travelers Box」、羽田空港「ポケットチェンジ」、変換できる電子マネーはそれぞれ異なる)もあるため、より好ましい形で旅を締めくくれるといいですね。

シーンによって決済方法を使い分けつつ、お得な旅を楽しみましょう。

【著者プロフィール】
風呂内 亜矢(ふろうち あや)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー。大手電機メーカー系SIerに勤めていた26歳のとき、貯金80万円で自宅用としてマンションを衝動買い。それをきっかけにおカネの勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有。2013年、FPとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「おカネに関する情報」を精力的に発信。

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