1. 【ダイエットの極意】運動だけでは痩せません!食べないダイエットでも痩せません!

2017.12.04

【ダイエットの極意】運動だけでは痩せません!食べないダイエットでも痩せません!

私たちはつい『○○だけダイエット』や『○○抜きダイエット』というものに走りがち。それは、やはり簡単・手軽だから。しかし、ラクをして成功するほどダイエットは甘くない。ダイエットのしくみを、東京医科歯科大臨床教授の宮崎滋先生に伺った。

【ダイエットの極意】運動だけでは痩せません!食べないダイエットでも痩せません!

そもそもダイエットとはどうあるべきで、太る理由・痩せない理由はどこにあるのか。専門家への取材を通して、知っているつもりで実は知らない、カロリーや減量のしくみ&BMIなどの単位の真実を、改めて検証してみた。

 食事量は過小評価、運動量は過大評価されやすい

ダイエットとは、「体に入ってくる摂取カロリーと体から出ていく消費カロリーとのプラス・マイナスの出入りの問題。その計算がしっかりできるかできないかにすべてがかかっている」と著書の中で語っているのは、肥満症治療のエキスパート、東京医科歯科大臨床教授の宮崎滋先生。
 つまり、どれくらい食べてエネルギーを取り込み、どれくらい活動してエネルギーを放出したかの足し算・引き算で、太る・痩せるといった結果が出る。『そんな基本はわかっている』という人も多いだろう。では、なぜあなたのダイエットがうまくいかないのか。
「皆さん理論はよくわかっているんです。でも、食生活や運動習慣をなかなか変えられない。たいていの人は、食べたカロリーを過小評価して、消費したカロリーを過大評価してしまう。『運動したから、スイーツを食べても大丈夫だろう』と。一回一回の誤差はわずかでも、徐々に蓄積されていけば、太ります」と宮崎先生。
 まず、私たちが誤解していることの一つに、「運動すれば痩せる」という思い込みがあるという。

運動だけで痩せるのは大変

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知っての通り、基礎代謝量は筋肉量に比例する。運動で筋肉量を増やせば基礎代謝が上がり、消費カロリーもアップ。ここまでは正論なのだが、
「基礎代謝がアップするくらい筋肉量をつけようとすれば、ボディビルダーのようなトレーニングが必要。基礎代謝をキープすることはできても、基礎代謝を大きくアップするのは、実際かなり難しい」(宮崎先生)
もちろん、健康維持のためにもダイエットのためにも、運動習慣は身につけておいたほうがいい。だが、運動しているからたくさん食べてよいという発想は危険。
「運動だけで痩せようとしても、とても思うような効果はあげられないのが現実。痩せるためには、やはり運動とセットで、入ってくるカロリーを適量に抑えることが必要不可欠です」(宮崎先生)

やせる力を自ら落としていることに気づかない

とはいえ「食べないで痩せるという発想は大間違い」と、宮崎先生。
理由は意外にも単純。ある女性の1日の食事が1800キロカロリーとして、約4 日間断食してやっと1㎏の脂肪と同じエネルギー量、(約7000キロカロリー)に相当する。だが一方で、『1 週間で3㎏・5㎏痩せる』とうたうダイエット法も存在する。

なぜそんなことが可能かといえば
「脂肪ではなく、水分が減るからです。人間の体は約7割が水でできていますが、無理な食事制限で急激に体重を減らそうとすると、体内の糖質の量が少なくなり利尿作用が働きます。つまり、水分が減った重みの分だけ、体重が落ちます。これをみな“痩せた〟と錯覚している」(宮崎先生)
ある程度体重が落ちても、通常の食生活に戻れば水分が戻って体重も逆戻り。単に食事を減らせば痩せる、食事を摂ると太るというのは大きな誤解で、食事と一緒に水分が出たり、入ったりしただけのこと。脂肪が減ったり増えたりしているわけではないのだ。
しかも、「急な食事制限をすると、タンパク質がエネルギー源として分解されるようになり、筋肉量が減ってしまいます。結果、代謝が低下して、太りやすい体質に。そこで元の食事に戻せば、以前よりも太ってしまう。これがいわゆるリバウンド。食べないダイエットは、体の“痩せる力〟を自ら落としているのです」(宮崎先生)
無理なダイエットで筋肉や骨のタンパク質を取り崩すことによる弊害は、骨粗鬆症の発症率とも関係する。将来、歩けなくなる可能性がないとはいえない。

食べないダイエット負のスパイラル

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運動でやせようとすると……。

一日の総消費カロリーよりも余分にショートケーキ(300kcal/100g)を食べてしまったとして、その分のカロリーを消費するには、約2時間のウォーキング(体重50kgの人)が必要。一方、運動で脂肪1kg(約7000kcal)を落とそうとすると、「ざっとフルマラソン4~5回分のエネルギー量に相当する」(宮崎先生)。あと5、6kgやせたいとしたら……、途方もない運動量になる。

教えてくれたのは・・・
宮崎滋先生 公益財団法人 結核予防会、総合検診推進センター所長、東京医科歯科大 臨床教授

東京医科歯科大学医学部卒業。医学博士。同大第一内科、東京逓信病院内科部長兼副院長を経て現職。専門は、肥満症、糖尿病治療。「健康診断で中性脂肪値が高めの人が読む本」(幻冬舎)、「メタボリックシンドローム教室―Q&Aでわかる療養指導」(中外医学社)など、ダイエット、メタボリックシンドローム関連の著書も多数。

取材・文/及川友子
2011年3月号「HBR」より