1. 【あなたはどのタイプ?】注意すべきアルコールの影響と「酔っ払い」のパーソナリティ

2017.12.03

【あなたはどのタイプ?】注意すべきアルコールの影響と「酔っ払い」のパーソナリティ

アルコールは人のパーソナリティに影響を及ぼし、「酔っ払い」のパーソナリティは主に4つのタイプに分かれるという。なかでも、「禁酒以外に解決法はない」と言われる攻撃的なタイプや「お酒」と「品行」の関係について、コミュニケーション・ストラテジストの岡本純子さんにお話しを伺った。

【あなたはどのタイプ?】注意すべきアルコールの影響と「酔っ払い」のパーソナリティ
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世界で、セクハラ問題が超大型ハリケーン並みの猛威を振るっている。アメリカやイギリスで、問題視されている行動は、性暴力などといった犯罪だけではなく、性的な誘い、発言なども含まれており、多くの名だたる芸能人や政治家が窮地に追い込まれている。

中には20年も30年も前の事案さえも、批判の対象になっており、同様の基準に当てはめたら、日本にも、糾弾を受けてもおかしくない「セクハラおじさん」は山のようにいた(る)はずだが、今のところ追随するような動きはほとんどない。

その代わり、日本のお茶の間の話題をさらっているのが、大相撲の横綱日馬富士の暴力問題だ。

強い者から弱い者へのハラスメント

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強い立場の者から弱い立場の者へのハラスメントという点や、かつては被害者が声を上げられず、看過されていた行為だったという点、封殺しようという組織力が存在するといった点では、欧米のセクハラ問題と軌を一にするところもある気もする。

一方で、ビール瓶で殴ろうと素手で殴ろうと、暴力はいけない、という比較的シンプルな話だったのに、訳のわからない中傷合戦に発展しているのが、何とも後味が悪い。この件については日々、おびただしい報道がされているので、ここで論考をするつもりはないのだが、今回は、この暴行事件のきっかけともなった「お酒」と「品行」について、興味深い研究をご紹介したいと思う。

楽しい酒の席は、緊張もほどけ、腹を割って話す絶好のコミュニケーションの機会となる。

特に男性同士の場合は、普段、女性と比べて、感情をあまり表に出すことがないため、コミュニケーションがぎこちなくなりがちだが、アルコールによって、そういった「抑制」を外すことができ、よりスムーズにコミュニケーションがとれるようになる、というメリットがある。ピッツバーグ大学の研究によれば、お酒の席では男性はより笑顔を見せることが多くなり、コミュニケーションがスムーズになったという。逆に、そうした強い「脱抑制」効果ゆえに、男性は深酒をしてしまいがちになる、とも分析している。

最近は、職場の飲み会には参加しない、という若者も増えている。理由はさまざまあるだろうが、貴重な時間を、自己抑制を失った上司の説教で無駄にしたくない、という思いもあるだろう。酔うと説教くさくなる、絡む、話がくどくなるなど、アルコールは人のパーソナリティに影響を及ぼすといわれている。

「蛮行」に及ぶケースも

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特にエスカレートすると、法律に触れかねない「蛮行」に及ぶケースまで出てくる。最近の欧米のセクハラ事案でも、「酒に酔って」などと弁解をしている人も多かった。男性の女性に対する性的暴行の2分の1は、酒に酔ったうえでのものという統計ある。日馬富士も酒癖が悪いことで知られていたようだが、普段は大人しくても、酒を飲むとガラッと変わるなどという人も少なくないようだ。ミズーリ・コロンビア大学の研究によれば、「酔っ払い」のパーソナリティは主に4つのタイプに分かれるという。

①「ヘミングウェー」タイプ

作家アーネスト・ヘミングウェーのように、飲んでもまったく変わらないタイプ。注意深さ、知性レベルも酔っぱらってもあまり影響を受けない。多くの酒飲みがこのタイプに当たる、といわれている。

②「メアリー・ポピンズ」タイプ

陽気な家庭教師、メアリー・ポピンズのようにもともと愛想がよく、親しみやすいタイプだが、酔うとさらに明るく、外交的で楽しくなる。

③「ハイド」タイプ

ジキルとハイドという二重人格の「ハイド」にあたる人。4タイプの中では、最もネガティブな方向に変化をするタイプ。注意深さ、知性ともに減少し、社会的外交性もそれほど増えない。より責任感がなくなり、素面のときよりも攻撃的になる。最もトラブルを起こしやすい。

④「ナッティ・プロフェッサー」タイプ

エディ・マーフィーが演じた大学教授のように、もともとは非常に内向的だが、酔うと自信が出てきて、外交的になるというタイプ。

皆さんはどれかに当てはまるだろうか。日馬富士はまさにこの③「ハイド」タイプということになるのだろう。こういうタイプは「禁酒」以外に解決法はないらしい。

なお飲むお酒によっても、違いが出てくる。

飲むお酒のタイプによって、人の性格に及ぼす影響が変わってくる、という調査結果も最近、明らかになり、話題を呼んでいる。11月21日にイギリスの専門家が、「Global Drug Survey」の結果を基に世界21カ国、約3万人のデータを解析して導き出した研究だ。

蒸留酒は「やる気が出る」「自信ができる」

その結果によると、飲むアルコールの種類によって表出する感情が異なり、特に蒸留酒(スピリッツ=ウィスキー、ウォッカ、ブランデー、テキーラなど)は「やる気が出る」「自信がつく」などと回答した割合が約6割と高い水準で、「攻撃的になる」という回答も30%とほかの酒類に比べ非常に高かった。これは、赤ワインの10倍、ビールの4倍以上の水準だ。

逆に、赤ワインやビールは「リラックスする」という効果が高かったが、蒸留酒は20%と低かった。また、酒を飲んでも、女性は男性より攻撃的になりにくく、アルコール依存症の場合は攻撃性がより高くなることもわかった。

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この研究では、酒を飲む人は、自分の求める感情効果によって、無意識のうちにアルコールの酒類を選んでいる可能性があるとしている。たとえば、蒸留酒の場合は、そのネガティブ効果にもかかわらず、「やる気」「自信」「セクシー」などといったポジティブ効果を欲して、求めてしまうところがあるというのだ。特に、酒豪の場合にこの傾向が強いという。

一緒にお酒を飲んだ記者などの記事によると、日馬富士はモンゴルウォッカや芋焼酎などスピリッツを好んで飲んでいたという。まさに上記のような気分を味わいたい、と知らず知らずのうちに欲していたのかもしれない。2016年の時事通信の「大相撲古今酒豪番付」によると、日馬富士は現役では3指に入る酒豪だったようだ。

「酒のトラブルで引退に追い込まれた朝青龍に、飲みすぎを注意されたほどの酒好き。3時間で3升半飲んだこともあるといわれ、酒では白鵬をしのぐ。優勝すると千秋楽には朝まで飲むらしく、一夜明け記者会見では目が真っ赤。師匠の伊勢ヶ濱親方(元横綱旭富士)は現役時代、内臓疾患に苦しんだ。日馬富士も30歳になり、軽量横綱だけに、酒との付き合い方も考える時期に来た」と、まさに警鐘を鳴らされていたわけだが、最悪の結果となってしまった。

厚生労働省が2013年に行った調査によると、アルコールの国内総消費量が減少傾向をたどっているにもかかわらず、依存症の患者数は推計で109万人となり、10年前と比べ29万人も増加していた、深刻な結果だが、欧米などに比べ、学術的な研究もあまり行われておらず、治療体制も未整備との声もある。「お相撲さんは酒飲みだから」という定説もあり、相撲界も、力士の飲酒を大目に見てきたところがあったのだろう。

しかし、「酒に酔って」などという弁解はもう許されない。「国技」とうたうのであれば、力士の品行と酒について、しっかりと検証し、酒との適正な向き合い方などを再考していく必要があるのではないだろうか。

【著者プロフィール】
岡本 純子(おかもと じゅんこ)


世界水準のパブリック・リレーションズ&スピーキングを通じて、企業やプロフェッショナルの「発信力」強化を支援するコミュニケーションのスペシャリスト。これまでに1000人近い社長、企業幹部のプレゼン・スピーチコーチングやコンサルを手掛け、リーダーシップコミュニケーションの造詣が深い。読売新聞経済部記者、電通パブリックリレーションズコンサルタントを経て、株式会社グローコム代表取締役社長。

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