1. 【ディズニー、ポケモン、サンリオetc.】「アニメキャラの結婚指輪」が人気を呼ぶワケ

2017.12.10

【ディズニー、ポケモン、サンリオetc.】「アニメキャラの結婚指輪」が人気を呼ぶワケ

「ブライダルジュエリーをぜひキャラクターもので作りたい」と考えるカップルから人気を集めているオーダーメイドサロン「ケイ・ウノ」。ファンの心をくすぐるデザインや、キャラクターの再現度の高さなど、人気の理由をフリーライターの圓岡志麻さんに教えていただきました。

【ディズニー、ポケモン、サンリオetc.】「アニメキャラの結婚指輪」が人気を呼ぶワケ
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クールジャパン文化を反映したユニークなジュエリー

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ケイ・ウノ新宿西口オーダーメイドサロンではディズニーやサンリオだけでなく、ポケモンやゲームキャラクターのジュエリーを扱う

女性へのプレゼントと言えばジュエリー。クリスマスに向け商戦が激しくなるなか、クールジャパン文化を反映したユニークなジュエリーが、今、注目を集めている。

ブライダルリングなどのジュエリーのオーダーメイド販売を行うケイ・ウノでは、2014年からキャラクタージュエリー専門のブランドを展開。ポケモン、ムーミンや、乙女系恋愛シミュレーションゲーム、イケメンシリーズなど、ゲームやアニメ21コンテンツのライセンスを得て、商品を販売している。これまでネット通販中心だったが、2017年6~9月にポップアップストア(期間限定の店舗)を展開したところ、月に300~400人の客が訪れ、売り上げは目標の1.5倍となった。こうした反響を受け、11月3日、新宿にショールームをオープンしている。

ファンの支持を集めている大きな特徴が、キャラクターの再現度の高さと、身につけるのに違和感ないオシャレさだ。一目でキャラクターとわかるものもあるが、一見したところシンプルな普段づかいのジュエリーとしか見えないものもある。

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ポケモンの結婚指輪。キャラクターが好きな人だけにわかる、さりげないデザインだ

いずれにせよ、金、プラチナ、シルバー、宝石で構成されたいわゆる「ジュエリー」としての品質を確保していることが、20代後半以降の大人の女性にも人気の理由。とはいえ価格は2万円程度で、若い人にも手の届く範囲だ。

日本でますますアニメやゲーム、マンガなどが価値を増す今、また、インバウンドが今後も増え続けることを考えると、このようなサービスに勝機を見いだす企業は多くあると推測されるが、同社は1歩、2歩リードしている存在と言える。

同社はバブル期の1981年、ジュエリーの修理・リフォームの店として出発した。時代に逆行しているように思われるかもしれないが、「世の中にないことをやろう」というオーナーの方針がそうした業務に結び付いたそうだ。

「その後、一点もののオーダーメイド販売にサービスを拡大し、社内に職人を抱えるようになりました。モットーは『お客様に特別な感動と喜びを』。お客様のご要望にはノーと言わず、できる限り叶えることが企業姿勢です。そのなかで、ディズニーのキャラクターをリングにできないか、というご要望が多く寄せられるようになりました。それなら、ライセンス契約を結んで本格的にやろう、ということで、2010年にディズニージュエリーの取り扱いを始めました」(ケイ・ウノ営業企画部長の伊藤崇史氏)

丁寧な職人仕事だが価格は手頃

同社の商品は7割がブライダル用途。1点1点、客の好みに合わせデザイン画を起こすことから始まる。年間に4万種のデザイン画が生み出されるという。丁寧な職人仕事を象徴する工夫が、リングの内側にある。角に丸みをもたせているのですべるようにはめることができ、装着している間も違和感が少ない。

一方、価格は手頃で、ブライダルリングで10万~15万円、ファッションジュエリーで3万〜5万円が平均価格帯だという。石の種類や模様を変えたり追加したりするアレンジオーダーも可能だ。キャラクタージュエリーについては、貴金属の種類や石の種類、キャラクター部分以外のデザインなどで客の好みを取り入れることができる。

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ポケモンはシルバーからと商品展開も幅広い。「モンスターボールアクセサリーケース」(1万円)も人気という

では、どんな人が購入するのか。

「女性が好きなコンテンツが7割を占めるので、女性が多いです。かばんにストラップをいっぱいつけているような、いかにもキャラクター好きな人は一握りで、一般的な方ばかりですよ。あとは外国人ですね。ポップアップストアでは、2割が海外、特にアジア圏の方でした」(伊藤氏)

また、「ブライダルジュエリーをぜひキャラクターもので作りたい」と考えるカップルも多いようで、ポケモンジュエリーを買う人の半分はブライダルニーズだそうだ

たとえば、ポケモンの商品では小さなピカチュウがリングを取り巻いている。オスとメスを見分ける唯一の部分であるしっぽの違いなど、コアなファンにしかわからない特徴も、細かな細工で表現されているそうだ。

「私のような営業をはじめ、デザイナーや職人もアニメやゲームについて日々、勉強しています。デザインの社内コンペを開催するなど、ファンの心をくすぐり、かつ美しいデザインになるよう工夫を凝らしています」(伊藤氏)

オタク心を満足させてくれる

またアニメなどに興味がない人でも、スター・ウォーズのジュエリーがあると聞けば食指が動くかもしれない。こちらについても、映画の内容や設定が随所に盛り込まれ、オタク心を満足させてくれる。たとえば、ライトセーバー型のタイバー(タイピン)は、ライトセーバーの持ち主によって異なるその特徴を、形状や石の色によって忠実に再現している。

ここで気になるのが、ジュエリーとしての価値がどの程度あるのかということ。ライセンス料によって、本来の価値以上に高くなってしまっているようなことはないのだろうか。

「既製品と同じレベル感の価格でご提供したいという、当社の方針に共感してくれることが契約の条件です。おかげさまで、版権元からお話をいただくことも多いです。月に2~3件は新規の話があります」(伊藤氏)

入手しやすい価格帯であることのほかに、時代を超えて愛されるコンテンツであることも、契約の条件となる。貴金属や貴石を用いたジュエリーであるからには、長く身につけてもらいたいという同社の思いがあるからだ。

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エヴァンゲリオン、名探偵コナン、有頂天家族のジュエリーはシルバーが中心

20年前にアニメ化されて今も人気のある、美少女戦士セーラームーンなどがその例だ。アニメやゲームには、ストーリーやキャラクター、服装、状況設定など、ファンを惹きつけるものが必ずある。いっぽうで同社には、デザイン力や職人技、また“ユーザーの夢を叶えたい”というそもそもの企業姿勢がある。両者が持つ価値が融合し、購入した人にとってはかけがえのない、愛されるジュエリーを作り出していると言えるだろう。創業以来36年間、急上昇ではないが右肩上がりで地道な運営を行ってきた同社にとって、キャラクターものは新たな、そして大きな柱となりつつある。

「これまでは地道にコツコツと、年に1店のペースで店舗を増やしてきましたが、ここ最近は年に2~3店舗と、拡大のスピードが上がってきています。キャラクターのブランドであるユートレジャーにも、ブライダル、ファッションジュエリーに次ぐ第3の柱として期待しています」(伊藤氏)

今後はそれぞれのライセンスの新商品を増やしていくとともに、ライセンス数そのものも、50コンテンツをメドに増やしたいそうだ。

最終的な目標

また、同社の最終的な目標が「オーダーメイド百貨店」となること。つまり、同社のショップに行けば何でもオーダーメイドでそろう、というような店のことだ。現在も、ジュエリーのほかにアパレルや時計、皮小物などを扱い始めているという。またオーダーメイドというと高価な印象があるが、そうしたイメージも払拭したいという。

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ケイ・ウノ営業企画部長の伊藤崇史氏

「アパレルなら3万円台、時計なら2万円台からオーダーメイドできます。金を使った機械式時計も、海外の有名ブランドなら3ケタがスタートラインですが、当社でなら30万~50万円でつくれます」(伊藤氏)

同社が「オーダーメイド百貨店」として成長していくために、現在取り組んでいるのがブランド価値の向上だ。

「まずはブライダルブランドの訴求です。これまでユートレジャーとしてブライダル誌に広告を出したことはないのですが、11月から始めました(笑)。それから、『自分でジュエリー体験』というイベントを開催しています。参加費2万円からで参加できる、自分でオリジナルジュエリーをつくるというイベントです。カップルでペアリングをつくったり、親子で参加して夏休みの自由課題にしたり。自分で触れることで、初めて気づく魅力や価値もあります。消費傾向がモノからコトへ移行している今、ブランド価値を高めていくうえで意義ある取り組みだと感じています」(伊藤氏)

年末に増えるハイジュエリーブランドの広告やCMを見ても明らかなように、プレゼントやジュエリーと言えば、ハレであり、イベントであり、非日常性に属するモノゴトだ。しかし、同社のとくにユートレジャーブランドの商品はそうしたジュエリーとは異なり、もう少し生活に身近な存在だ。自分でジュエリーをつくった思い出、子どもの頃に好きだったキャラクターなど、ユーザー自身の等身大の物語が、商品価値を形成・増幅していくわけである。

価値観が多様化し、それぞれの人間が自分の世界を持つ今の世には、虚飾を追うよりも、こうしたブランドのあり方がふさわしいのかもしれない。

【著者プロフィール】
圓岡 志麻(まるおか しま)

フリーライター。1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。

撮影/編集部

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