1. 【体幹トレーニングのやり方】体幹と骨盤を鍛えよう

2018.01.20

【体幹トレーニングのやり方】体幹と骨盤を鍛えよう

近年、あらゆるワークアウトの現場や記事では、体幹と骨盤の重要性を説き、実際に強化メニューを実施・紹介しているが、私たちは体幹や骨盤について正しく理解し、適切なトレーニングを行っているだろうか。今、基本に立ち戻って検証する。

【体幹トレーニングのやり方】体幹と骨盤を鍛えよう
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まずは用語を知っておこう・【骨格筋】とは?

筋肉には、骨格筋、平滑筋、心筋の3つがあり、通常「筋肉」というときは、骨格筋を指す。横紋が見られるため「横紋筋」ともいい、自分の意志で自由に動かせる随意筋。腕や脚の筋肉、腹筋、背筋などはみな骨格筋。400種類以上あり、体重の約半分を占めており、筋肉ごとにさまざまな役割や働きがある。
ちなみに平滑筋とは、「内臓筋」とも呼ばれる消化器や泌尿器の壁となっている筋肉などで、胃や腸を動かしたり尿などを運ぶ働きをする。血管の壁もこの平滑筋からできている。自分の意志では自由に動かしたり留めたりすることができない不随意筋。心筋とは、心臓だけにある筋肉で、心臓の各部屋の壁を作っている。人間の命のある間は規則正しく継続的に縮膨を行い、状況に合わせて血液を送り出す不随意筋。

【インナーマッスル】とは?

身体の内側(骨に近い深層部)にある筋肉。身体の外側(表層部)の筋肉(アウターマッスル)が大きな力やスピードをつかさどるのに対し、インナーマッスルは姿勢の安定(別名・姿勢保持筋)や持久力、動作の質などをつかさどり、関節同士をしっかりと繫ぎ止めて滑らかな動作を可能にする。さらにアウターマッスルの補助を行い、アウターマッスルの出す力の方向をコントロールする。

【体幹(コア)トレーニング】で得られるメリットとは?

体幹(コア)トレーニングの目的は、肩関節(ピラティスの場合はコアとして扱わないことも)、股関節を含めたコア部のスタビリティ(安定性)、モビリティ(可動性)、そしてファンクション(連動性)を高めることにある。この3つの機能が向上すると、アウターマッスルを使う力仕事やスポーツなどのパフォーマンスもアップし、同時に身体への負担も減らすのでケガを予防することができる。
体幹トレーニングの最大のメリットは姿勢が安定すること。体のどこにも過度な負担がかからない正しい姿勢が取れることにより、呼吸や内臓の動きなど全身の機能が正常化されて、健康で活動的な日常生活を送ることができる。

体幹と骨盤の基本については、こちらをチェック!

体幹と骨盤の本当のところ【体幹トレーニング、骨盤矯正はできる?】

体幹と骨盤を鍛えるボディメンテナンス

体幹(コア)部の腰や骨盤、背骨などを支えるインナーマッスルが『正しく働くようにする』ためのボディメンテナンス法をご紹介。最大のポイントは「意識」!

基本姿勢 骨盤が「ニュートラル」な位置にある姿勢が基本!

これから紹介する3つのボディメンテナンス法で、基本となるのが「骨盤をニュートラルな位置に置く」こと。左右の腰骨と恥骨を結んだ三角形が床と平行になるときの骨盤のポジションは、前屈(前傾)と後屈(後傾)の中間地点。動作中も常に意識して、骨盤をニュートラルな位置にキープしよう。

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OK 両腰骨(上前腸骨棘。左右のでっぱったぐりぐり部分のこと)と恥骨を結ぶ三角形を「骨盤トライアングル」と呼ぶ。この面が床と平行なら骨盤は「ニュートラル」な位置にある。

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NG 骨盤トライアングルの恥骨結合部分が引っ込み、三角形の面が恥骨側に傾いているのは、骨盤が前屈(前傾)した状態。「反り腰姿勢」で腰椎関節や椎間板への負荷が大きい。

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NG 恥骨結合が出っ張り、骨盤トライアングルの面がおへそ側に傾いた骨盤後屈(後傾)状態。腰の背面と床がぺたりとくっついた、ピラティスでいう「インプリント」の姿勢。

メンテナンス1
基本姿勢から左右の足を倒す「ベントニー・フォールアウト」

基本姿勢から、骨盤のニュートラルポジション(骨盤トライアングルの面が床と平行)をキープしたまま、足をゆっくりと外側に倒し、また戻すトレーニング。両脚を同時に外に倒す時と片脚だけで倒す時で、外に倒せる角度が違うことに驚くはず。

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 あお向けに寝てひざは90度に立て、ひざの間にこぶしひとつ分のすき間が開く程度に足をひらく。骨盤トライアングルの面が床と平行になった姿勢からスタートする。

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 骨盤のトライアングルを床と平行に保ち、お腹を背中に引き込みながら息を吐いて、内もも(内転筋)を意識して滑らかに両脚を外側に倒す。息を吸って両脚を1の位置に戻す。両脚同時に行うと比較的行いやすい。

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 今度は片脚ずつ倒す⇒戻すを行う。呼吸や骨盤のニュートラルポジションキープは2と同様に。片脚を倒す方が骨盤のニュートラルな位置のキープは難しい。片脚4~5回ずつ。

メンテナンス2
左右のお尻を床から浮かせない「マーメイド」

座り姿勢で行うときは、骨盤トライアングルが床に垂直な位置を、動作中もずっとキープするのがポイント。上体を左右に倒しても、左右のお尻のほっぺをしっかり床についたままで行えたら体幹コアのコントロール力も合格。でもこれが難しい!

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 足を前後にずらし座り、左右のお尻をしっかり床につける。お尻が浮くときは、浮く側にタオル等を敷くか、あぐらをかく。写真は、背骨の軸方向の伸びがもう少しあるとよい。

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 鼻で息を吸いながら、腕をゆっくりと上げ、床とほぼ平行にする。両方のお尻が浮いてないか、骨盤トライアングルが床と垂直かチェック。

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 片方の手は大きく弧を描いて上に伸ばし、息を吐きながらもう一方の手でひじを伸ばすように床を押す。背骨は伸びて身体全体はきれいなカーブを描きストレッチされる。そのままの状態で息を吸うことでさらに体側が伸びる。左右のお尻は床に。倒した側の体側もつぶさないように。胴体の両サイドを伸ばす意識で、左右各4~5回。

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NG 片方のお尻が浮く。肩甲骨が上がる。下の腕のひじが曲がり体側がつぶれてしまう。

メンテナンス3
後頭部、肩甲骨の間、尾骨の一直線に。「クアドラペット」

コアトレーニングの代表的ポーズ。正確に行おうとすると最初の姿勢を作るのも難しい。骨盤をニュートラルポジションに保つと同時に、背中が丸まったり腰が反ったり(NG写真参照)しないよう、長い棒(ゴルフクラブや傘などでもOK)を使い、常に背中が真っ直ぐな姿勢がキープできているかチェックして。

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 肩幅、腰幅に手とひざを床についてよつばいの姿勢に。後頭部と肩甲骨の間、尾骨は一直線、骨盤トライアングルの面は床と平行を動作中もキープする。内臓の重みで下がるお腹を背中側に引き上げ、内もも(内転筋)とお尻をきゅっと締めてスタート。

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 まずは鼻から息を吐きながら、片手だけをゆっくりと床から浮かして前に伸ばし身体と水平に。他の部位は1をキープ。

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 2が安定したら一息吸って、また吐きながら手と反対側の足も上げて身体と平行になるまで後に伸ばす。動きに慣れてきたら右手・左足、左手・右足を同時に持ち上げて下ろす。各4~5回行う。

教えてくれたのは・・・・・・
スポーツ・栄養クリニック院長
PILATES LAB代官山・福岡代表
整形外科医・MOTOR CONTROL ビヨンド・ピラティス 代表・クリエーター
武田淳也先生

日本整形外科学会認定専門医、認定スポーツ医、認定運動器リハビリテーション医、認定脊椎脊髄病医、日本体育協会公認スポーツドクター、日本医師会認定健康スポーツ医、日本抗加齢医学会認定専門医、日本ピラティス研究会会長。ピラティスの運動指導を治療に取り入れたスポーツ・栄養クリニックを開院。
PILATES LAB http://www.pilates-lab.com/
スポーツ・栄養クリニックhttp://www.clinicsn.com/

撮影/西村武、モデル/山田恵理、取材・文/若尾淳子 
2010年11月号「HBR」より

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2010年3月~2012年12月に講談社から刊行された、美と健康を専門にした月刊会員誌。正式名称は「ヘルス&ビューティー・レビュー」。医師、研究者、医療専門家、美容家への地道な取材をもとに作られた、正確で濃い内容の誌面で評判になり、会員数約4000人以上を誇ったが、惜しまれながら休刊。