
「キレイになるための入浴法は半身浴」と、思い込んでいない? 美容&健康のためには、ぬるま湯に長くつかるより、42℃の熱めのお湯に10分入浴するHSP入浴法(ヒートショックプロテイン入浴法)がいい、と最近話題に。しかも、入浴だけでなく、42℃で洗顔したほうが美肌にいいとか!? これまでの「肌のためにはぬるま湯」信仰の常識をくつがえす、HSP入浴法&洗顔法とは?
ヤセる、免疫力が上がる、キレイになる「HSP入浴法」
Q.ヒートショックプロテインって?
ヒートショックプロテイン(以下HSP)とは、熱をはじめ、さまざまなストレスを受けると、そのストレスから細胞から守るために生まれるたんぱく質。HSPが増えると、傷ついた細胞がどんどん修復され、細胞が元気になる。また、HSPの免疫力や代謝を上げる効果も注目されている。
このHSPを効果的に増やすことができるのが熱ストレス(40℃~42℃)。日本のお風呂文化を活用したバスタイムは、HSPを増やす絶好のチャンスなのだ。
HOW TO 「HSP入浴法」
湯温と入浴時間は40℃→20分、41℃→15分、42℃→10分。(炭酸系の入浴剤を入れた場合は、40℃で15分に短縮してもOK)
(1)湯船から出てすぐ体をふけるように、バスタオルと着替えは手の届くところに置く。
(2)浴槽のふたを開けたり、床や壁にシャワーをかけるなどして、浴室内を温める。
(3)手、足、体(心臓に遠いところから)に、かけ湯をする。
(4)浴槽には、足→手→体の順にゆっくりつかる。
(5)湯につかりながら舌下で体温を測る(体温計は防水タイプを使用)。しっとり汗が出て、体温は38℃まで上げるのが理想。
(6)入浴後は10~15分保温をする。大量の汗が出るので水分補給は必須!
HSP入浴法で特に大事なのが入浴後の保温。お湯につかって上がった体温を37℃以上に保つことで、全身に熱がこもり、体内のHSPが増える。そのため、夏でも冬でも入浴後体を冷やさないことが大事。
このHSP入浴法を週に2回行えば、代謝アップ&免疫力アップが期待できるのだ。
「42℃洗顔」で体の中から肌トラブルを解決して美肌になる!
Q.「HSP42℃洗顔」って?
全身の免疫力や代謝を上げるためにHSPを増やすには、体の芯まで温まる必要がある。しかし、皮膚表面の顔の細胞だけであれば、熱が伝わるのが早いため、42℃のお湯で顔を洗顔・保温するだけで、肌のHSPを増やすことができる。それを利用したのが42℃のお湯で洗顔する「HSP42℃洗顔」。
Q.「HSP42℃洗顔」はどうして良いの?
42℃洗顔で肌を温めてHSPが増加すると、コラーゲンやその他のたんぱく質の傷が修復される。また、修復できないほど障害のひどいたんぱく質は分解して、新しい細胞が産生しやすい状態をつくる。つまり、HSPが増加していれば、肌の細胞は常に元気になり、免疫力が上がるため、肌トラブルの予防になり、体の内側から美肌をつくることが可能。また、細胞の修復をサポートするため、紫外線ストレスを防御し、しみ、しわを防ぎ、肌のきめも整えるのでメイクのりもよくなる、という、いいことづくしの洗顔法。
その手順は、入浴と同じくとても簡単。
◆HOW TO 【HSP42℃洗顔】
(1)普段のお手入れと同じように、メイクをクレンジングで落とす。(W洗顔の人は洗顔も済ませる)
(2)42℃のお湯を用意し、3分を目安にお湯を顔にかけて洗顔をする。(普段使うお湯より少し熱いくらいが目安。洗っているうちに温度が下がってくるので、お湯を足しながら洗うのがベター。また、42℃のHSP入浴法を行いながら、洗顔をするのも手)
(3)洗顔で肌が温まったら、42℃のお湯で温めたタオルを顔に覆って(鼻や口などの呼吸は確保して)、約2分間保温。
(4)いつものスキンケアアイテムを使用して、保湿をする。洗顔を行う前に1度冷水で顔を洗うのもオススメ。冷水と42℃の温度差がさらに細胞へのストレスになり、HSPの産生が高まる。
週に2回以上のHSP入浴法と42℃洗顔で、キレイをつくる細胞が増加して、体の中から美人になろう!
教えてくれたのは
医学博士 一般社団法人HSPプロジェクト研究所所長 伊藤要子さん
HSP研究の第一人者。30年以上前よりHSP研究を始め2017年一般社団法人HSPプロジェクト研究所を設立し、所長に就任。講演会やメディア等でHSPの普及のために活躍中。著書に『加温研究法』(法研)ほか。
http://www.youko-itoh-hsp.com/
取材・文・構成/山本美和
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Edited by 芦田 夏子
公開日:2018.02.17