1. 【齋藤薫】モテる顔がいよいよ変わる、ユニクロ美人の時代到来!?

斎藤薫の美容自身2

2018.03.14

【齋藤薫】モテる顔がいよいよ変わる、ユニクロ美人の時代到来!?

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 今月のテーマは”モテる顔がいよいよ変わる、ユニクロ美人の時代到来!?"について。毎月第2水曜日更新。

【齋藤薫】モテる顔がいよいよ変わる、ユニクロ美人の時代到来!?
齋藤 薫
ビューティジャーナリスト
by 齋藤 薫

星野源と高橋一生のモテ方をどう読むか

 年末年始のテレビで、その年を象徴するドラマを一挙に再放送していて、大掃除しながら何気なく見ていた二本のドラマに、遅まきながらいきなりハマった。言うまでもなく、『逃げ恥』と『カルテット』。ドラマ自体にハマるというより、2017年を象徴する"モテ男"2人……星野源と高橋一生が、なぜそんなにモテたのか? その考察に改めてハマったのだ。

 この2人、 "典型的なイケメン"とは言えないことで世の男たちをさんざん戸惑わせている。アイツが「あり」なら、自分だって「あり」じゃないかと。で、それは半分当たっていて、誰でもいいとは言わないが、少なくとも顔が良ければモテるという時代は完全に終わった。

 極端な話、最近の性的犯罪者に一見モテそうなイケメンが増えたのも、顔さえ良ければ女性が勝手に集まってくる時代ではないことの証。大人の女が、まるでオジさんみたいに"若いイケメン男をイケメンというだけでチヤホヤする"時代も既に終わっている。今や顔だけで、才能がない、知性がない、となると減点が3倍、普通の顔より安っぽく見えてしまう時代。むしろ、顔が良いことで不利になる場合も多い。

 言ってみれば今は人間の評価にも"これ見よがしのブランドものより、ユニクロを着ていた方がカッコいい"的なバイアスがかかってくるのだ。一見何の変哲もなく、地味なのに中身が濃厚で有能、つまりヒートテック的な男が評価されるから、星野源。一方、身近にいそうなのに人間が丸ごと端正な、1万円以内で買えるカシミア100%的な男が受けるから、高橋一生。そういうことだろうか。

 ヒートテックもカシミア100%も、開発の苦労や企業努力がちゃんとうかがえるのに、誰でも手に入れられる良心的な商品作りが人間に優しい。しかもどちらの製品も、人を癒やし、ちょっぴり幸せにする。買ったことを後悔させない手厚さがある。だからユニクロには、やはり偏差値の高い知的なお客が多いというけれど、彼らのファンも同様に知的レベルが高く、言うならばファンであることに誇りを持っているテイ。「私なんか今日全身ユニクロよ」って、キャリアウーマンがしたり顔で言ったりするように。

 その一方で彼ら2人には、女性経験なし、不器用、理屈っぽく、変人、そうした役柄のモチーフが重なってくるわけだが、いずれもネガティブに見えて、逆にそれが新種のイケメン要素につながってくる。穢れていなくて、打算がなく、世慣れてもいない。それが一つの清潔感に繋がるから、彼らのユニクロ的な要素にちょっとした高級感が加わり、少々わかりにくい異例のモテにつながったのだ。

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地味で普通、わざわざ眼鏡の女子がモテる時代?

 でもこうした傾向は、男から見た女の評価にそっくり置き換えられると考えていいかもしれない。男たちは今、一様に自信がなく、受け身である。だから高望みはしない上に、女性への評価基準も変わってきた。やはりユニクロ的な女性が評価を高めてる。一見地味で、普通。不思議な程お手頃で、 自分にも楽々買えるのに高機能で高品質、何度洗濯してもしゃんとしている、的な。

 実際に、お見合いクラブなどの話を聞くと、今どき人気があるのは、ごくごく普通で地味。でもちゃんと頭の良さそうな女性だったりするらしい。そういえばたまたま見たお見合い番組でも、それを裏付ける内容があった。一番人気で10人以上の女性に求愛された男性が、一目惚れして最後まで諦めきれずに告白した相手は、黒縁の眼鏡をかけた、まるで化粧っ気のない普通の女性。しかもこの女性、別の男性に心惹かれていたものだから、その超モテ男をあっけなく振ったのだ。

 彼女の内面が魅力的なのはすぐわかるが、少なくとも自分を外見で可愛く見せようとは思っていない印象。もちろん、眼鏡がいけないと言っているのではない。ただ明らかに自分の可愛さを隠しているタイプ。こういうお見合い番組に思いっきり眼鏡をかけて登場する女性は多くないはずで、その一部始終を見ていた出演者は、みなちょっと戸惑っていた。わからない人にはわからない。でも何となくわかる気もするのが、今の時代なのである。

 本当の意味で、内面の時代が来たと言うことだろうか。かといって外見がどうでもいいという意味ではない。逆に言うと、内面の魅力を存分に持っている人かどうかを、世間はやっぱりどこか外見で判断しているのだ。話がややこしくなるが、外見だけにこだわっていないこと、ちゃんと知的で生活態度もそれなりにきちんとしていること、精神的にバランスが取れていること、魂レベルが人よりも少し高いこと……そういうことが、外見にも表れているからこそ、地味めで普通、「へーこういう人がいいんだ」と、ちょっとだけ意外に思われたりするタイプが良いのである。

 ちなみに高橋一生の人気は、やはり元はと言えば顔。あのちょっとキリン系の面立ちが、人間の端正さを見事に物語っている。言ってみれば、形としてはきちきち端正すぎてイケメン枠からは少しはみ出すが、それが精神の端正さを必要以上に強調していたからの、この人気。

 考えてみれば一流企業にはよくいる顔、仕事はできそうだが、ちょっととっつきにくい。あまり話したことはないけれど、なんだか気になっていて、気がつくと好きになっていたりして。でも私だけかと思ったら、複数の女性が狙っているタイプ。それが現実には俳優であることで、逆にある種の親しみが増し「私だけの高橋一生」という微妙な距離感が生まれて、空前絶後の人気を呼んだのだと思う。

 そういうあたりも、女性にそっくり置き換えられる話。それが今、有村架純や黒木華、高畑充希、そして杉咲花のような、身近にいそうな安足感がある顔を流行らせたのだと思う。昔、親しみやすい顔のアイドルが流行った時代があるけれど、身近なのにアイドルやっちゃうのとは違う。自己顕示欲は今、最も嫌われる。いわゆる地味にスゴい存在であることが重要なのだ。まさにまさに、ユニクロのバランスである。

 少なくともこの人たちの演技力は、ずば抜けている。その演技力が顔に出る典型的なタイプと言ってもいい。つまり、外見もただ地味で平凡なだけではダメ。むしろ才能が顔に出ている顔立ちでなければいけない。そう、みんな顔に出ているのだ。ただならぬ存在であることが。

 高橋一生の顔も同様だけれど、彼らの顔にはやはり何かある。取り立てて共通点はないけれど、眉間のあたりに、凛とした強いものがある気がする。眉は感情の発露、そして眉間にはその人の思考が表出するというけれど、この女優たちは、みんな口元が緩めで、愛らしいけれど、そしてそれぞれに目も丸いのに、何か眉間のあたりが非常に涼やかでしゃんとしている。ここに挙げた女性たちの印象は図形にするとみな丸なのに、眉間には一本筋が通っている。そこに、揺るがぬ知性というものが"顔の姿勢"のようにまっすぐ見えてくるのだ。

 そういう意味ではやっぱり顔。人間、結局、顔なのだ。"利発"という言葉は「利発そうな子供」というふうに、もっぱら子供に対して使われるけれど、それこそが鍵。子供だてらに知性が顔に出ている、そういう顔つきってあるのだという証。

 そう、顔立ちというよりは顔つきなのだ。それこそ、美人でなくてもいい。この時代、見るからに利発そうな顔つきで生きていきたい。印象は丸。眉間に一本、知性の筋を通す。ちょうど背筋をまっすぐ伸ばすように。やってみてほしい。新しい時代の、モテのために。

"これ見よがしのブランドものより、ユニクロを着ていた方が カッコいい"的なバイアスもかかる時代。 一見何の変哲もなくて地味なのに、中身が濃厚で有能、 なのに意外なほどお手頃な"ユニクロ男女"が本気でモテる!

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齋藤 薫
齋藤 薫
美界のご意見番。VOCE連載のほか、美容や女性をテーマに多くの女性誌で執筆中。精神性の深さが多くの女性から支持をえている。