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Q:化粧品の成分表示によくある、BGとは?

更新日:2021.12.21

コスメの裏側に記載されている成分表示。それぞれの成分がどんな役割をするのか、パッと見てわかる人なんてあんまりいないのでは? でもこれが読み解けるようになったら、化粧品選びはもっと楽しくなるはず! というわけで、化粧品成分検定協会代表の久光一誠先生に成分について解説してもらいます。第5回は「BG」について。成分表でよく見かける「BG」とはなにか、どんな働きをしているのか、詳しく聞きました!

コスメの裏側に記載されている成分表示。それぞれの成分がどんな役割をするのか、パッと見てわかる人なんてあんまりいないのでは? でもこれが読み解けるようになったら、化粧品選びはもっと楽しくなるはず! というわけで、化粧品成分検定協会代表の久光一誠先生に成分について解説してもらいます。第5回は「BG」について。成分表でよく見かける「BG」とはなにか、どんな働きをしているのか、詳しく聞きました!

そもそもBGって何ですか?

「ひとことで言うと保湿剤で石油由来と植物由来のものがあります。水の分子を磁石のように引き寄せておく性質があるので、うるおいを保つために使われることが多いですね。それ以外にも、防腐効果を高める効果があるので、少ない量の防腐剤で済むという利点も。でも殺菌剤ではないので、菌を殺すわけじゃない。菌が育ちにくい環境にしてくれる成分なんですよ」と久光先生。

―ということは、保湿と防腐の目的でBGは配合されているんですか?

「植物からエキス成分を取り出すときの抽出溶媒としての働きもありますね。植物をBGと水を混ぜたBG水溶液に漬け込むと、植物からエキスが染み出します。このエキスを化粧品に配合するとき、化粧品の中にはほんの少しだけどBGも入ってしまうので、抽出溶媒としてBGを使用した場合も、成分表には記載されることになります」

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―抽出するだけじゃなく、保湿や防腐の働きもあるなら一石二鳥、いや三鳥ですね!

「いえいえ! BGが保湿や保水、防腐の効果を発揮するには、それなりの量が必要です。化粧品への配合が抽出溶媒としてだけではそこまでの量にならないので、それらの効果は全く期待できません」

保湿剤には、ほかにどんなものがありますか?

「保湿剤の王様といえば、グリセリンですね。これはもう化粧品には欠かせない成分です。ヤシ油やパーム油などの天然油脂を高温、高圧で加水分解すると、グリセリンが得られます。これだけでも保湿効果がありますが、ヒアルロン酸Naやコラーゲンなどなど、相性がいいほかの水性成分と組み合わせると、さらに保湿効果がアップして、使い心地もよくなるんですよ」

―保湿以外に、大きな特徴ってありますか?

「グリセリンは水と混ざると発熱する性質があります。肌になじませたときに温かくなる温感化粧品は、この性質を利用したものが多いんです。こういう化粧品の場合は、グリセリンが全成分表示の一番上にきますね」

―BGやグリセリン以外の、主要な保湿剤といえば?

「BGと同じ分類の多価アルコールでDPGという成分があります。これは保水力が穏やかで、サラッとした感触。BGと同様に防腐力を高める働きもあるし、メントールやアスコルビン酸(ビタミンC)をよく溶かすので、広く使われていますね。DPGはPGより皮膚刺激が低いので、低刺激タイプの化粧品に使われることも多いです」

―保湿剤だけでもいろいろあるんですね~。

「保湿効果はさておき、菌を増やさないようにするなら1,2-ヘキサンジオールもよく使われています。ごく微量でも防腐効果があるので、『防腐剤フリー』の化粧品に使用されてることが多いですね。また、防腐剤の配合量を減らすために併用されることも。あとはみなさんもよく聞くでしょう、ヒアルロン酸Naです。」

結論!

BG、グリセリン、DPG、1,2-ヘキサンジオール、ヒアルロン酸Naなどなど。これら保湿剤は、保湿・保水目的以外にも防腐効果、感触向上などを狙って配合されることも。配合量によってその働きも変わるので、全成分表示のどのあたりに記載されているかを見て、どんな目的で配合されているか考えるのも楽しい……かもしれません。

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Edited by 穴沢 玲子

公開日:2015.09.30